(この記事は、Trick-taking games Advent Calendar 2020 - Adventar8日目のために書かれたものです。)
こんにちは。
今回は1人で遊ぶトリックテイキングゲーム「ECK」をご紹介いたします。
普段ボードゲームを1人でよく遊ぶのですが、「The Crew」や「Cat in the box」といった新しめのトリックテイキングゲームに触れてトリテに興味を持ち、1人で遊べるトリテってないのかなということでググってヒットしたのが「ECK」です。
「ECK」はBGGのSolitaire Print and Play Contest 2020でJohn Burtonさんが発表したゲームです。無料で遊べるPnPとして公開されておりますので、英語になりますが興味のある方はぜひプレイしてみてください!
ECK an abstract solo trick-taking card game, by John Burton-san
ここからはざっとその「ECK」をプレイした感想となります!
トリテってみんなで遊ぶものでしょ?
ソロでトリテってどんな感じ?
トリテ? トリックテイキングってなに?
など、トリテについて思うところは様々かと思いますが、トリックテイキングの知識を問わずなんとなーくこういうゲームでしたよという形でご紹介できればと思いますので、気軽にお読みいただければ幸いです。
「ECK」ってどんなゲーム?
「ECK」という名前については、DECKからDを抜いたものなので、「エック」ないし「エッキ」という呼び方になりそうです。ゲームの名前であると同時に対戦相手のAIの名前でもあります。
このゲームは簡単に言うと、8色7つの図形からなるカードをプレイヤーとAIで出し合い、基本的には先に出された色と同じ色でかつ図形の画数が多いカードを出した方が勝ちとなり、勝った方が次の回で先にカードを出して…を繰り返し、ラウンド(全13勝負)終了時に所定の回数勝つことを目指すゲームです。
トリテ初心者の自分のためにトリテ用語を説明すると、1回1回の場に出す勝負のことを「トリック」、同じ色や模様などのことを「スート」(トランプでいうマーク)、その1回の勝負に勝つことを「テイク」、最初にカードを出す人のことを「リード」、リードの人と同じ色やマーク(スート)のカードを出すことを「フォロー」、必ずリードや前の人と同じスートのカードを出さないといけないことを「マストフォロー」、別に出さなくてもいいのが「メイフォロー」、このゲームは違いますがトリックを始める前に何回勝てるかを予想するのが「ビッド」(入札)というらしいです。
一般的なトリテは、最初に手札見て何回勝てるかビッドして、1回の勝負を勝ったりわざと負けたりして優勝を目指すゲームだと思うのですが、「The Crew」は全員で誰かを必ず勝たせないといけない協力ゲームである点が新しく(しかも無言でやるという)、「Cat in the box」はスートがカードで決められておらずプレイヤーが決めることができ、ビッドにも工夫がなされていているところに新しさを感じます。
脱線しましたが、「ECK」は基本的には同じ色でより多角形の図形を出すトリックを指定回数テイクするゲームになります。
基本的にはと書いたのには、黒と白の丸カードがあり、黒色はPaint it Black的な感じで色付きのカードよりも強い強カードで、白色は全ての色に染まりやすい的な感じでどの色付きのカードよりも弱いカードですが、白色は唯一黒色にのみ勝てるというカードもあるからです。ただマストフォローなので、同じ色が出せなくなった時にこの黒/白カードを使うことになります。
他にもAIの勝利条件などがあるのですが、説明が長くなりそうなので割愛して、以下実際に遊んだ様子の中でお伝えできればと思います。
「ECK」を遊んでみた
セットアップの図
42枚の図形カードの山から13枚引いて手札にして並べます。残りの29枚がAIのデッキとなり、AIが先手(リード)となってトリック開始となります。
上に並んでいる数字のカードは全13回のトリック終了時に同じ回数トリックで勝利できていれば該当の数字が取れて、数ラウンド遊んでAIが勝つ前に4種類のカードを取れればプレイヤーの勝利です👍
トリック1回目終了時点の図(AIが先手のリード)
AIの山札をめくるとオレンジの5角形が出たので、マストフォローなのでオレンジの6角形を出して、この回を勝ちます(トリックをテイクします)。トリックをテイクした方が次先手(リード)になります。
トリック2回目終了時点の図
オレンジの3角形を出してAIの山札をめくるとたまたまオレンジの棒(2角)なので、この回も勝利。
トリック3回目終了時点の図
紫の3角形を出してAIの山札をめくります。AIは同じ色か黒または白のカードが出てくるまでひたすら山札からカードをめくり続けます。AIがどのカラーカードよりも強い黒いカードを出したので、この回はAIの勝利。もし白いカードだったら自分の勝ちでした。
トリック?回目終了時点の図
と、このような感じでどんどんやっていきます。
偶数回で勝利しないといけないので、敢えて白カードや角数の少ない弱いカードを出してトリックに負ける必要もあります。
同じ図形を出した/出た場合は、キープとなり横にスタックしておき、仕切り直しで次のトリックを勝った方が全どりできる方式です。
こうしてどんどんやっていき、手札の13枚が無くなった時点でラウンド終了。勝ったトリック数がぴったり一致するトリック数のカードを手に入れます。
AIが勝利する前にトリック数のカードを4枚集められれば勝利です。
AIの勝利条件を簡単に記載すると、プライヤーが4ラウンド連続で勝利できないと、画像左下のカウンターカードがX(裏面に2とXが書かれてます)になり負け、そしてAIが2回偶数回同じラウンドを勝つとプレイヤーの負けとなります。画像だと10のカードが一回AIが勝っているので裏側の灰色のカードになっています。この次にプレイヤーが勝てばリセットされて10のカードを取れるのですが、AIが10トリック勝つとAIの勝利となりプレイヤーの負けとなります。
ソロトリテ「ECK」を遊んでみて
1人で遊ぶトリックテイキング、最初はそれほど楽しくなさそうと思いましたが面白かったです!
手元にある13枚のカードで、どのカードを使うか、リードとなった際に角数の多いカードを出すか、敢えて先を見通して少ないカードを出すか、AIの山札をめくるドキドキ感、そしてビッドはないもののラウンド終了時に偶数回勝たないといけないことを踏まえてのプレイなど、トリテの悩ましさをいい感じで楽しめた気がします。
ラウンドが新しくなると手元のカードがガラッと変わるのでそれもまたプレイ感の変化に繋がり楽しめました。
以上、1人で遊べるトリテ「ECK」のご紹介でした!
トリテを最近知ったばかりですが、歴史があるのにまだまだ新しい作品が出てくるためすごく面白いジャンルだと思います。
そして基本を抑えていればルールを追加して、オリジナル性を出しやすい気もしたため、ボードゲームをはじめて作ってみたい方もまずはトリテを土台にしてみてもいいかもしれないと思いました。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
今回参加させていただいたアドベントカレンダーには、様々なトリテの情報が掲載されています。
トリテビギナーの自分も楽しく読まさせていただいていますのでよろしければどうぞ!
良きトリックテイキング&ボドゲライフを!
メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!
それではまた!