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【ボードゲーム日記】「スマートフォン株式会社」

こんにちは!

今日はスマートフォン株式会社」をソロでプレイしたのでその感想になります。遊び方の説明ではなく、感想というか雑談です。

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数奇ゲームズさんから日本語版が発売されているこの「スマートフォン株式会社」。

遊ぶ前はタイルを重ねてスマートフォンを売っていくゲームとだけ知っていたのですが、アイコンやゲームボードを見てもプレイ感がいまいち掴めず、けれどもSNSで評判の高さはよく知っていたので非常に気になっていたタイトルでした。

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購入して実際に遊んでみると、当初抱いていた大きなタイル2枚(+α)を重ね合わせていくゲームなのはその通りでしたが、そのあとの流れがすごかった!

そしてその流れを含めてのタイル重ねとアイコンの取捨選択の悩ましさが絶妙でした。

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基本的には、このように大きな2枚のタイルをどちらかのタイルのマス1マス以上を覆う形で置いて、そこに表示されているアイコンの数(と覆われている箇所のマス数)によってアクションを決めていく形になります。

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このタイルもラウンドを経るごとに増えていき、増えたアイコンをどう組み合わせていくのかを考えるのがまた楽しい。

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そしてこのタイルの組み合わせによるアイコン数によりこの先にやれることが変わってくるのですが、この「スマートフォン株式会社」の何が良いって流れがわかりやすい! 上の写真がプレイの流れを示しており、基本的にはその流れに従うだけ。あるフェーズが終わると黒いマーカーを一個右に動かしてその内容を処理していくかたち。

 

最初のタイルを重ね合わせてアクション決めるのが一番左の1となり、順に価格の変更(2)→製品化(3)→アイコンタイルの獲得(4)→技術開発(5)→販路拡大(6)→販売(7)→売却(8, VPの得点化)です。これも全部1で決めたアイコン数によって自動的にできることが決まるため、ルールも簡単。

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さらに、この「スマートフォン株式会社」のよくできているのが行動順

 

価格を低く設定したプレイヤーほど先に行動できて、技術開発・販路拡大・販売時にマジョリティを取りやすいのですが、価格x販売時に置いたコマ数が勝利点になるので、価格を低くすると先に行動できるけどVPが稼ぎづらい、逆に価格を高くすると行動順は遅くなりマジョリティで不利になるけど、コマを置ければVPをめっちゃ稼げる。

 

なので、この価格設定ひとつとっても、価格を低くして先手を取るか、いや高くして高VP狙うか、そしてタイルを重ね合わせるのは多人数の場合隠匿して決めるので、それを予想するという悩ましさと他の要素との兼ね合いなどを考えないといけず、なんかそれがもう楽しい。

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他の要素との兼ね合いというのは、階段みたいな進捗コマを使って、歯車アイコン数分の技術開発と、トラックアイコン数分の販路拡大をするのですが、技術開発ではコスト分の進捗コマを置いて条件を満たすとその先メリットになる効果が得られ、販路拡大では商品化したコマを置ける地域が増えるため、VPの加算につながる。

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また上の写真で右下に3個あるのが商品化したコマ数なのですが、これを増やすのにも木箱アイコンと重ねた部分のマス数が必要だし……

 

と、上記もろもろ考えてると、フェーズ1のタイルを重ね合わせる時に、あっちもしたいしこっちもしたい。だけど、タイルのアイコン数は限られてるし、でも大きなタイル2枚はどこかを重ねて置かないといけない。うまく重ねたいけどそうするとこのアイコンが減ってしまう。うーんうーんと悩みながらアクションを選択することになる。

 

しかも先手を取らないとあそこのマジョリティ先に取られちゃいそう、技術開発を先にやられて特許タイル(VPボーナス)取られちゃうかも、でもVPも伸ばしたいからやはり価格は上げるべきかなど、タイルを重ね合わせるだけなのにすごい楽しい。f:id:insto:20220223203821j:image

なので、遊ぶ前はタイルを重ね合わせるだけで楽しいのかな?と思っていましたが、タイルを重ね合わせてからの展開を踏まえてのタイルの重ね合わせが楽しかった感じです。笑

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さらに、「スマートフォン株式会社」の良いのはソロでも遊べるという点。相手はスティーブ。

スマホをコップに水没させてまだ隙間あるぞと伝えたというエピソードが好きだったのですが、あれはデマでソニーのお話らしいというのをググって知りました。見た目的にもそのスティーブです。

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オートマのスティーブの動きもわかりやすいのが好印象。難易度はスティーブの行動が読みやすいので慣れるとやや簡単〜普通くらいの難易度です。
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ティーブは上の写真にあるようなスティーブ用のボードを使ってそのアイコン数の行動を行います。

運要素も入ってくるのですが、スティーブの値段設定が高めになると難易度が高くなる傾向にあるのでソロでも考えながら遊ぶと十分楽しめました。

 

と、ここまで褒めてばかりですが、気になった点もあります。それが技術開発ボーナスの文章のわかりづらさ。

 

例えば「第6フェーズで、1ラウンドに1回、拠点を配置済みの地域に2個目の拠点を置く」みたいな文章があるのですが(原文も同じ)、これがコストを支払う必要があるのかないのかが明記されてないのでBGGで調べてコスト不要とわかったり、「物流フェーズに3つまでの商品を販売してもよい(地域に配置しない)」といった文章では、じゃあその3つの商品はどう処理すればいいのか、未商品エリアに戻すのか戻さないのかみたいな詳細がルルブにも明記されてないのでプレイ時に戸惑いました。おそらく商品コマ3個まで販売でき、その商品コマは消費するのだと思いますが……

 

と、テキスト部分の説明不足感は否めませんでした。ただ、この技術開発ボーナスのシステム自体はすごくよくできていて、今後のフェーズですぐにコンボを繋げやすいので、遊んでいてすごい気持ちが良かった部分となります。

 

ゲーム自体を考えるとすごく綺麗に流れとモラトリアムがひとつのシステムにまとめられており、想像以上に楽しかったです。遊ぶ前に予想つかなかったゲームだったので余計に、うわーすごいゲームだなと思いました。

 

今回もまとまりのない感想になりましたが、もしプレイできる機会があれば一回遊んでみてはいかがかなと思います!コンポーネントもシンプル、ルールもわかりやすい、プレイ時間もほどほどで、だけど遊びごたえはしっかりと、かなり面白いです。

 

以上、ここまでお読みいただきありがとうございました! それではまた!

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