ほぼボードゲームブログ。

Just a board game blog.

【ボードゲーム日記】「ロビンフッドの冒険」

こんにちは!

 

今回は「ロビンフッドの冒険」を遊びましたのでその感想です。2021年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされていた本作。評判も良くてずっと気になってました。

日本語版がジーピーさんから出ることが決まっていたため、自分と同じく日本語版の発売を楽しみにされていた方も多いことでしょう。

日本語版は2023年8月のイベントで数を絞っての先行発売、正式発売は9月となっています。この記事を書いている2023年8月現在は正式発売前となりますので、ネタバレなしで感想を書きたいと思います!

ちなみに最後までストーリーはクリアしていないので序盤を触れての基本ルールに関する部分のみの感想になります。

f:id:insto:20230812154756j:image

まず基本情報として、プレイ人数は2〜4人(BGGのベスト人数は2, 4)。ジャンルはストーリーを楽しむキャンペーン型の協力ゲーム。デザイナーは「アンドールの伝説」で有名なMichael Menzelさんです。ちなみにBGGレートだと7.6の評価となっています。

 

上の写真のように、コンポーネント自体はとてもシンプルです。以下に列挙すると、

・ストーリーを進める本

アドベントカレンダーみたいな広いマップ(マップは8枚のタイルをパズルみたいに繋げるかたち)

・プレイヤーコマなどの木製のコマ類

以上です。

 

コンポーネントがシンプルな分、セットアップ時間が掛からない点がまず良かった。ただマップが結構大きく、箱には8枚分割で入っているのですが繋げると4人掛けテーブルの横のスペースを結構使います。

 

今回はネタバレのないように、コンポーネントごとに感想を書いていきたいと思います!

まずは、このゲームの心臓部分となる本について。

f:id:insto:20230812154813j:image

見た目の雰囲気がまず良いですが、ページ数も結構あり、サイズ的には単行本1冊くらい。

構成は章仕立てのストーリーに加えて、マップ上のタイル番号とページ番号が対応しており、例えば100のタイルを調べたら100ページを開いて該当の章のイベントを見るといった感じです(ネタバレを避けてここの数字はでたらめな数字にしています)。なのでマップを使ったゲームブックといっても良いかもしれません。

 

今までストーリー系のゲーム(「グルームヘイヴン獅子のアギト」や「The 7th Continent」など)を遊んだ経験がありますが、「ロビンフッドの冒険」のこの一冊の本をもとに一枚マップで冒険を進めていく形が一番遊びやすいと思いました。一枚マップとは言えアドベントカレンダーみたいにタイルをめくって変化も楽しめるので、ストーリーをクリアするまでは新鮮に楽しめると思います。

 

また、章ごとに区切りがあり、章を終えたら本にしおりを挟んでボードはそのまま収納、コマは全部片付けて、再開時にはしおりのある本のページを開いてセットアップすれば良いだけなので、再開がしやすい点も好印象でした。ストーリー系やレガシー系のボードゲームで個人的にネックなのが、ビデオゲームのセーブにあたる部分。それまでに集めたアイテムカードやキャラクターの成長シートなどをポチ袋に入れて遊ぶタイプはどうも片付けや準備が大変なのと、次に遊ぶまで時間があいてしまうと中々続きから遊ぶモチベーションがあがらないので、このロビンフッドの仕様はありがたかったです。

 

各章には、ストーリーとその章の目標(任務)が書いてあり、各プレイヤーは自分の手番でその任務を達成するための情報を集めたり目的地に行ったりをコマを動かしながら進めていく形です。

本には大まかなヒントはありますが、プレイ自体は各自でマップを探索して進めます。なので本を読んでばかりではありませんが、移動した先に調べられるタイルがあるとその番号のページを開くので本を使用する機会は多めです。ここら辺をどう捉えるかによって評価が変わってくるかもしれません。

 

個人的にはマップ上の移動システムが面白かったり、敵を攻撃したり(その際の成功判定をバッグに入ったキューブを引いて行ったり)する要素もあるので、本を開く機会が多くてもストーリーも気になるしどういう変化が生まれるのか楽しみなのもあり結構楽しめました。

あと最後に、ストーリーベースのゲームなこともあり、日本語版の翻訳やエラッタが気になる方もいらっしゃると思います(自分もです)が、序盤の範囲では翻訳は良くてエラッタもなく、すごく快適に遊べましたのでそこら辺の心配はしなくても大丈夫だと思います。ただ、最後まで遊んでいないのであくまでも序盤までの範囲です。

 

文章が長くなってきましたので、ここからは駆け足で行きます! 次はマップの感想です!

f:id:insto:20230812154806j:image

まず、大きい。4人掛けテーブルの横幅で少し余裕ができる程度。ただ各人の個人ボードみたいなものはないので、テーブルを囲んで遊べれば問題ないかも。でもかなり大きい。その分迫力や没入感はあります。

 

このマップのよくできている点としては、上述したアドベントカレンダータイプのマップで、マップ自体がダブルレイヤーになっていて番号が付いている丸とか四角のタイルをひっくり返せることと、その番号が本のページ番号と対応していること。コンポーネントは少なく、けれども体験は深くという良くできたシステムだなと思いました。

 

あとよくできてるのは、マップの右上にアイテムの絵柄が描いてあって、各人は自分の色のキューブをその上に置いたり除いたりすることでアイテムを使用します。個人ボードいらないのは画期的だなと思いました。他にも日向と日陰の概念とかも面白かったですが、ここは実際に遊んでお確かめください!

 

気になった点としては、仕様上どうしても仕方ない部分ですが、特に最初に遊ぶ際、初めてめくるタイルに爪痕がつきやすいです。もうこれはどうしようもないので、めくる時に気をつけるか、タイルの爪痕も含めてこのゲームの良さとするしかありません。

 

次にコマ類です。

コマ類もネタバレのない範囲で感想を書いていきます。

f:id:insto:20230813084124j:image

まずはこの特徴的な各人のプレイヤーコマ。

このコマを使ってマップを移動するのですが、これが結構面白い。以下の写真はネタバレのないように適当にコマを置いてみた写真です。f:id:insto:20230812154800j:image

写真では全部のコマ置いていますが、イメージとしては最初に一番左(始点)の人形コマだけあって、次に移動したい地点に向けて尻尾というか道が付いてる移動コマを接着させて置いて行き、目的地(終点)にまた人形のコマを置いて、その終点コマだけを残して他のをマップ上から取り除く感じになります。次に移動するときはその終点コマが始点になります。

 

目的地のタイルを目指してこの移動コマを微調整しながら置いていくのが楽しかったです。マップ上の森や建物などは無理に横断や突っ切ったりできないため、道をちゃんと通りつつ、うまく移動コマを置いていくのがなんとも面白い。

ちなみに接着ぐあいも必ずしも厳密にコマに付いてる必要はなく、プレイヤー間で合意があれば大体くっついてればOKとかでも良いので、家族や大勢で遊ぶさいはゆるく遊んでも良いかもしれません。そこで喧嘩にならないように! でも厳密にして、それ流石にダメでしょとかでも盛り上がりそうな気がするのでどちらでも面白いかも。

 

あと、移動コマは短いの2つと長いの1つがあり、長いのを使わないとメリットがあるため、いかに最短距離で目的地に行くかを考えるのも楽しかったです。

 

他にもコマはあるのでここからはざっとご紹介。

f:id:insto:20230813084130j:image

上のは砂時計コマ。

マップはいつまでも探索できるわけではなく、制限時間があります。そのことを示すコマです。このコマが無くなるまでにその章の任務を達成できないとプレイヤー側のゲームオーバーとなります。

プレイヤーの行動順はバッグからプレイヤーカラーのディスクを引いて決めるのですが、プレイヤー以外のカラー(赤など)を引くとデメリットの一部としてこの砂時計コマが減るみたいな感じです。

f:id:insto:20230813084127j:image

あとはこの四角いキューブ。

これは各自の持ち物を示す絵柄の上に置いたり、敵との戦闘で攻撃判定をバッグからキューブを引いたりするのに使用するキューブになります。

紫のキューブが攻撃失敗、白のキューブが攻撃成功で、イベントで紫のキューブをx個バッグに入れるとか、白のキューブをx個入れるとか、あとは長い移動コマを使わないメリットがこの白キューブをバッグに1個入れるになります。

f:id:insto:20230812154753j:image

遊んだ箇所までの攻撃判定では、バッグからこの紫と白のキューブを最大3回引き、3回とも全部紫のキューブだと攻撃失敗(上の写真)で何もなし。白が途中で1個でも出れば攻撃成功(下の写真)で報酬がもらえる形でした。なので移動と本のストーリー以外の要素もある感じです。

f:id:insto:20230812154737j:image

上の写真は2回目で成功しましたが、運が良いと1回で成功することも。

f:id:insto:20230813100609j:image

上の写真は行動順を決める丸いディスクコマ。決めるというか、バッグから引いたカラーのプレイヤーが行動をする形です。プレイヤーカラーの他に上述した赤いディスクや、任意のプレイヤー1人が行動して良いグレーのディスクや、すべてのプレイヤーが1回行動して良い白いディスクなどもあります。f:id:insto:20230812154810j:image

これは吟遊詩人コマ。

ゲームにはプレイヤーが衛兵に捕まる要素もあり、その際にこのコマの数字が減っていき、0になると砂時計コマを減らす際に追加で1個減るというもの。意外とこれがシビア。

 

コマの気になった点としては、リトルジョンのコマの色が青というより水色に近く、ウィルスカーレットの淡い色と見た目にやや判別しづらい点です。マップ上では特に問題ないのですが、バッグからディスクを引いた際に慣れるまではこれ青?水色?となりやすかったです。参考までに以下に写真を掲載。ただ慣れればそこまで気にはならなくなったので最初だけかもしれません。

f:id:insto:20230813084047j:image
f:id:insto:20230813084044j:image

最後に本作は2-4人用ですが、ソロでも一人二役(オススメは一人四役)で遊べます! 嬉しい!

一人で遊ぶと本読んでタイルの場所見つけてめくってが若干面倒ですが、上述したコマの移動とか戦闘要素、探索も4人分できるので結構楽しめます。

使うコマも例のプレイヤーコマx4人分なので煩わしさもなし。

 

アンドールの伝説」の遊びやすいロビンフッド版といった印象なので、「アンドールの伝説」が好きな方はこちらも合うかもしれません。

ファミリーゲームにしてはお値段がお高めなのがちょっと気になる部分ですが、家族で映画を見てご飯食べに行ったと考えれば、この「ロビンフッドの冒険」もなかなか家族団らんのひとつの形として良いのかなと思いました。

 

そして最後まで遊んでいないですが、ストーリーをクリアするまでは楽しめそうですが、一回クリアするとリプレイ性は低そうです。ただ章の難易度も簡単にはクリアできるようにはなっていないと思うので、一回のクリアまでを楽しむ分には十分かもしれません。

 

以上、長くなりましたが「ロビンフッドの冒険」の感想でした。

かくいう自分はロビンフッド自体は名前は知ってるけど物語を全然知らないので、今度小説を読んでみようと思います。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

それではまた!

f:id:insto:20230812154750j:image